マイクロスコープ様

今年もあと1ヵ月。この一年は本当に早かった。歳をとると一年が早いとよく耳にするが、自分はまだそんな歳ではないはず?一年が早いのは充実していたからかなと勝手に思っている。

最近よく耳にする言葉。『抜歯してインプラントにしましょう』。セカンドオピニオンで一番多い相談内容がこれである。本当に抜歯しないとだめですか?と患者さんは悩む。勿論、抜歯しないとだめなケースもあるが、約2~3割位ではないでしょうか。

近年、マイクロスコープを用いた歯科治療が注目されてきている。肉眼では見えない根管治療をはじめ、必要最低限で歯を削り、詰め物をするMI治療や、歯を残す手術、歯周形成手術等、幅広く用いる事が出来る。治療の精度が上がると、それだけ予知性のある治療が可能となる。

歯科治療で、最も難しい治療の一つが根管治療である。この治療で歯の寿命が大きく左右される。この治療の正確さで、今まで救えなかった歯も救う事が可能になった。それがマイクロスコープを用いた根管治療『マイクロエンド』だ。マイクロスコープは肉眼を1とすると、25倍まで拡大して見る事ができる。よって勘に頼らない治療を行う事ができ、医療では脳神経外科の手術や、血管と血管をつなぎ合わせる血管吻合術などに活用される。歯科での普及率は、約5%とまだまだ低いが、7年ほど前から行っているマイクロスコープを用いた根管治療により、かなり多くの歯を救うことが出来ると実感している。残せる可能性があると分かるとワクワクする。

抜歯になり、インプラント治療になると、手術から人工歯根、土台、被せ物、保証等含め、末永く使えるものだと、約40万円かかる。歯を失い、費用もかかる。出来る事なら自分の歯が一番。10年以上インプラント治療を行ってきて、インプラントが良い事は百も承知。患者さんにはインプラントは良く噛めるし綺麗と嬉しいお言葉を頂くが、やはり自分の歯に勝る物は無い。

来年の目標は、1本でも多くの歯を救い、インプラントの本数を減らす事である。我々歯医者が白旗を振ったら、患者はどうすればいいのか…。歯医者の仕事は歯を残す事。植える事も大切だが残せるものならとことん戦う。

『一患者入魂』